複数の国で特許を取りたいとき、国ごとに一から出願するのは大変です。その負担を軽くする仕組みがPCTです。
何か国も特許を取りたいときって、いちいち全部の国に別々に出願しなきゃいけないの? めんどくさそう…
そこで活躍するのが特許協力条約(PCT)よ。
一つの出願書類を提出するだけで、指定した国々への出願と同じ効果が得られるの。
つまり、書類の提出という点では負担がかなり軽くなるのですね。
国際段階では、どのようなことが行われるのですか?
国際調査が行われて、その発明がどれくらい新しいかの参考情報が得られるわ。
それから一定期間後には国際公開もされるの。
ふむふむ……じゃあ、この手続だけで、どの国でも特許がもらえちゃうのぉ?
そこが誤解しやすいポイントよ。
PCTの出願だけでは、まだ特許権は生まれないの。
権利を取りたい国を選んで国内移行をして、その国の特許庁の審査を受けて初めて、特許権が発生するのよ。
なるほど! 窓口をひとつにまとめてくれるけど、最後は各国の審査官にちゃんと見てもらう、ってことね!
そのとおり。
『国際出願はスタート地点、最終判断は各国』、この構造を覚えておいて。
確認クイズ
特許協力条約(PCT)に関する記述として、妥当なものはどれか。
- PCTの国際出願をするだけで、指定した全ての国において特許権が付与される。
- PCTの国際出願をすると、指定した締約国に同時に出願したのと同じ効果が得られ、その後は各国での国内移行を経て審査を受ける。
- PCTは、商標の国際登録に関する条約である。
- PCTは、意匠の国際登録に関する条約である。
こたえを見る
正解: 2. PCTの国際出願をすると、指定した締約国に同時に出願したのと同じ効果が得られ、その後は各国での国内移行を経て審査を受ける。
正解は2。PCTは一つの国際出願で多数の締約国への出願と同じ効果を得られる制度だが、最終的な権利化には各国への国内移行と、各国官庁による審査が必要である。選択肢1は誤り。選択肢3は誤りで商標の国際登録はマドリッド協定議定書、選択肢4は誤りで意匠の国際登録はハーグ協定の役割である。