前の記事で見た周知表示混同惹起行為とよく似ていますが、実はもっと強い保護を与える行為類型があります。違いを整理しましょう。
先生、前回の周知表示混同惹起行為と、これから学ぶ著名表示冒用行為は何が違うのですか? どちらも他人の表示を使う話ですよね。
いいところに気づいたわね。著名表示冒用行為は、混同が起きるかどうかを問わないの。
えっ、混同してなくてもダメなの? じゃあ有名ブランドのロゴを、全然別のジャンルの店で使っても怒られるってこと?
ええ、そのとおりよ。
例えば高級ブランドの名前を、まったく無関係なラーメン屋の看板に使ったら、お客さんは『提携してるのかな』と混同しないかもしれないけれど、それでも規制の対象になりうるの。
ふむふむ……じゃあ、そもそも著名性って、周知よりすごいレベルってことなのぉ?
そう、その理解で合っているわ。
著名性は周知性よりワンランク上、全国的な知名度が必要よ。
つまり趣旨も違うのですね。
混同を防ぐというより、有名ブランドの信用や顧客吸引力がただ乗りされたり、希釈化したりするのを防ぐ、ということですか?
完璧な整理よ。
混同の有無を問わない、というのがこの行為類型のいちばんの試験ポイントね。
確認クイズ
著名表示冒用行為に関する記述として、妥当なものはどれか。
- 著名表示冒用行為が成立するには、需要者に混同が生じることが必要である。
- 著名表示冒用行為は、混同のおそれの有無にかかわらず成立しうる。
- 著名表示冒用行為で要求される著名性は、周知表示混同惹起行為の周知性よりも低いレベルでよい。
- 著名表示冒用行為は、産業財産権の一種として特許庁への登録により権利が発生する。
こたえを見る
正解: 2. 著名表示冒用行為は、混同のおそれの有無にかかわらず成立しうる。
正解は2。著名表示冒用行為は、周知表示混同惹起行為と異なり混同のおそれを要件としない。選択肢1は誤り。選択肢3も誤りで、著名性は周知性よりも高いレベルの知名度が求められる。選択肢4も誤りで、不正競争防止法上の規制であり登録による権利発生の制度ではない。