特許権のような独占的な権利と、公正な競争を守る独占禁止法。この二つは、時にぶつかり合う関係にあります。
先生、特許権は発明を独占できる権利ですよね。
それって、公正な競争を目指す独占禁止法とぶつからないのですか?
鋭い質問ね。
実は、知的財産権の行使であって『権利の行使と認められる行為』については、原則として独占禁止法は適用されないの。
えっ、特許権を持ってる人は、なんでもやりたい放題ってこと?
いいえ、そうではないの。
あくまで権利の行使と認められる行為に限られた話よ。
うぅ〜ん……ということは、権利のフリをした、行き過ぎたことをすると、ダメなのぉ?
まさにそこがポイントよ。
権利の行使に見せかけているだけの権利の濫用は、独占禁止法の適用除外とはならず、規制対象になりうるの。
つまり、正当な権利行使か、それとも権利を隠れみのにした競争制限行為か、という実質で判断される、ということですね。
そのとおり。
知的財産の保護と、公正な競争の確保。
この二つのバランスをどう取るか、という視点が大切な分野なのよ。
確認クイズ
独占禁止法と知的財産権の関係に関する記述として、妥当なものはどれか。
- 知的財産権の行使には、いかなる場合であっても独占禁止法は適用されない。
- 権利の行使と認められる行為には原則として独占禁止法の適用がないが、権利の行使に見せかけた濫用行為は規制対象となりうる。
- 独占禁止法は、知的財産権制度そのものを否定し、特許権などの存在を認めない法律である。
- 特許権の実施許諾契約には、独占禁止法の考え方が及ぶことは一切ない。
こたえを見る
正解: 2. 権利の行使と認められる行為には原則として独占禁止法の適用がないが、権利の行使に見せかけた濫用行為は規制対象となりうる。
正解は2。知的財産権の正当な行使には原則として独占禁止法は適用されないが、権利の行使に見せかけた濫用行為は適用除外とならず規制の対象となりうる。選択肢1・3・4はいずれも言い過ぎで誤り。