発明が特許を受けるためには、いくつかの要件を満たす必要があります。そのひとつ目が「産業上利用可能性」です。
発明さえしていれば、なんでも特許を取れるんじゃないの?
実はそうではないの。
特許を受けるには産業上利用可能性をはじめとした要件を満たす必要があるのよ。
「業として利用できる発明」であることが求められるの。
補足すると、個人が趣味の範囲だけで使うものや、学術上・実験上にしか使えないものは、産業上利用できるとは言いにくいですね。
じゃあ、お医者さんが病気を治す新しい治療のやり方を考えたら、それも特許になるんですかぁ?
それがちょっと特別なところなの。
人間を対象にした医療行為、つまり人を手術・治療・診断する方法は、産業上利用可能性がないものとして扱われているのよ。
えっ、命を救うすごい技術なのに特許にならないの!?
はい。
人道上の配慮から、医師が患者を治療する方法そのものを誰かが独占してしまうと、必要な治療が受けられない人が出てしまう恐れがあるためです。
そうなの。
ただし、治療に使う医療機器や医薬品そのものは物の発明として特許の対象になり得るのよ。
方法と物の違いに注意してね。
確認クイズ
産業上利用可能性に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 人間を手術・治療・診断する方法は、産業上利用可能性がないものとして扱われる
- 個人が趣味だけで使う発明ほど産業上利用可能性が高い
- 産業上利用可能性は新規性と全く同じ意味の要件である
- 医薬品という物の発明も産業上利用可能性がないとされる
こたえを見る
正解: 1. 人間を手術・治療・診断する方法は、産業上利用可能性がないものとして扱われる
正解は1。人間を手術・治療・診断する医療行為は、人道上の配慮から産業上利用可能性がないものとして扱われる。個人的・学術的にしか使えない発明も同様に否定されやすく、医薬品そのものは物の発明として対象になり得る。